K理論1

Grothendieck構成

 Sを可換モノイド(可換単位的半群)とする.S \times Sに同値関係\sim を$$(x,y) \sim (z,w) \ \Leftrightarrow_{\mbox{def}} \ x + w + s= y + z + s\ \ \ (\exists s \in S)$$として入れる.S \times Sをこの同値関係で割った空間をG(S)とかきSに対するGrothendiek群という.(x,y)の属する同値類をx-yとかく.Sの元xG(S)の元x-0と自然に同一視される.
また Sが可換半環のとき G(S)は環構造を持つ. 積構造は$$(x-y) * (z -w)= (xz+yw) -(xw+yz)$$で与えられる.

K群:XをコンパクトHausdorff空間とする.Vect(X)をX上のベクトル束の同型類全体の成す直和に関する可換モノイドとする.Vect(X)に対するGrothendiek群$$K(X) = G(\mathrm{Vect}(X))$$をXK群という.Vect(X)はテンソル積に関し可換半環となるので実際にはK(X)は環構造を持つ.

Bott周期性

K理論でもっとも重要な定理の1つは次の定理である.

Bott周期性: XをコンパクトHausdorff空間とする.任意の直線束L \to Xに対しP(L\oplus 1) \to Xを射影束とする.l = [L]とするとき, K(X)上の代数として以下が成り立つ. $$ K(P(L \oplus 1)) \cong K(X)[h]\ / \ (h-1)(l h-1).$$特にXが1点のときl=1より$$K(S^2) \cong \mathbb{Z}[h] \ / \ (h - 1)^2.$$